第1回定例会では、初回のオリエンテーションを開催!

中小企業GX推進研究会20240717
中小企業GX推進研究会20240717

 皆様、こんにちは。事務局の西本です。

 今回は初回の「オリエンテーション」ということで、運営側メンバー6名とオブザーバー参加が11名、そして会員研修委員会から1名と、計18名にて開催し、この研究会の主旨や説明、さらには8月21日(水)にて予定されている、「中小企業のためのカーボンニュートラルセミナー」の登壇内容についての意見交換を行いました。

 その結果、10名の入会があるなど、中小企業におけるGXの重要性の理解を深める研究会となりました。

1.今回の個人的な感想

 先日、中小企業GX推進研究会の第1回定例会に参加しました。GX(グリーントランスフォーメーション)という時代の最先端のテーマについて、多様なバックグラウンドを持つ参加者が一堂に会し、活発な議論が展開されました。製造業、金融、コンサルティングなど、様々な分野の知見が交わる中で、GXの重要性と課題が浮き彫りになり、中小企業診断士としてこの分野での専門性を高め、実際の企業支援に活かせる可能性を強く感じた会合でした。特に印象的だったのは、参加者全員がGXの必要性を認識しつつも、中小企業への適用方法については試行錯誤の段階にあるという現状でした。この研究会を通じて、実践的なGX推進手法を確立できることへの期待が高まったかと思います。

2.今回の内容について(レポート)

 今回の定例会は初回ということもあり、全員がわかりやすいよう、より大きなくくりでGXの説明がなされました。その詳細は以下のとおりです。

(1)教えてもらったこと

 今回の定例会では、GXに関する基礎知識から実践的なアプローチまで、幅広い内容が共有されました。まず、カーボンニュートラルの定義とその背景について学び、国内外のGXに関する最新動向を把握しました。特に印象的だったのは、中小企業がGXに取り組むべき理由の説明です。単なる社会的責任だけでなく、経営戦略としてのGXの重要性が強調されました。

 また、具体的なGX推進事例も紹介され、製造業や食品加工業など、様々な業種での取り組みが示されました。さらに、短期的・長期的なGX推進方針について議論が行われ、即効性のある対策から長期的なビジョン構築まで、段階的なアプローチの必要性が明らかになりました。これらの知識は、今後の中小企業支援において非常に有用だと感じました。

(2)それら活用による企業のメリット

 GXへの取り組みは、中小企業にとって様々なメリットをもたらす可能性があります。まず挙げられるのは、企業価値やブランドイメージの向上です。環境対応に積極的な企業として認知されることで、顧客や取引先からの信頼が高まり、新規受注獲得の可能性も向上します。また、省エネ設備の導入などによる光熱費の削減といった直接的なコスト削減効果も期待できます。

 さらに、GX関連の補助金や税制優遇を活用することで、設備投資の負担を軽減できる可能性もあります。加えて、最近の傾向として、若手人材の採用において環境への取り組みが評価される傾向があり、人材確保の面でも優位性を得られる可能性があります。これらのメリットを適切に活用することで、GXへの取り組みを企業の持続的成長につなげることができると思います。実際に支援するのがとても楽しみになりますね。だたし、課題もあることも議論の対象でした。

(3)導入・実践にあたっての課題

 GXの導入・実践にあたっては、いくつかの課題が浮き彫りになりました。最も大きな課題は、経営者の意識改革と動機づけの難しさです。GXの重要性は理解できても、短期的な金銭的メリットが不明確な場合、積極的な投資判断につながりにくいという現状があります。また、業種によってGXへのアプローチ方法が大きく異なるため、画一的な解決策が通用しないという問題もあります。

 さらに、GXという抽象的な概念を具体的な行動に落とし込む難しさも指摘されました。中小企業特有の課題として、限られたリソース(人材、資金、時間)の中でいかにGXに取り組むかという点も重要です。これらの課題を一つずつ克服していくことが、成功的なGX推進につながるカギとなるでしょう。

(4)中小企業診断士として支援できること

 中小企業診断士として、GX推進に関して様々な支援が可能であることが分かりました。まず、企業の経営理念とGXを結びつける支援が重要です。GXを単なる外圧ではなく、企業の本質的な価値向上につながる取り組みとして位置づけることで、経営者の積極的な関与を促すことができます。また、業務効率化など身近な取り組みとGXを連携させる提案も効果的です。

 具体的には、補助金や支援策の情報提供と活用支援、業種別のGX推進方法の提案などが考えられます。さらに、経営者へのGXの重要性の啓発と動機づけ支援も重要な役割です。中小企業の実情に合わせた、きめ細やかな支援を行うことで、GX推進の障壁を一つずつ取り除いていくことができると思います。

3.まとめ

 GXは、今後の企業経営において避けては通れない重要なテーマです。しかし、中小企業にとっては取り組みの難しさも多く存在することが、今回の研究会で明らかになりました。一方で、適切に取り組むことで、企業価値の向上や新たなビジネスチャンスの創出につながる可能性も秘めています。中小企業診断士として、企業の実情に合わせた具体的かつ実践的なGX推進支援が求められていると強く感じました。

 我々は今後の研究会活動を通じて、より効果的な支援方法を模索し、中小企業のGX推進に貢献していくべきかと考えています。GXという大きな波を、中小企業の成長の機会として活用できるよう、私たち中小企業診断士の役割がますます重要になっていきます。ぜひメンバーの皆さまと一緒に研究を進められればと思います。改めてどうぞよろしくお願い申し上げます。